研究実績の概要 |
以下、第4次中間解析結果である。 2019年4月1日から2021年3月31日において、東京都内3医療機関に救急搬送された、もしくは直接救急外来ないし総合診療科(一般内科を含む)外来を受診し、血液培養検査を施行された16歳以上の患者から、経口摂取以外であった患者、食事摂取量や寒気の程度の問診記載がなかった患者などを除外した534名に対し、患者本人または代諾者による問診票記載項目として、来院前直近における「食事摂取量(80%未満,80%以上)」および「寒気の程度(悪寒戦慄あり、なし)」と菌血症の有無との関連性について検討した。 菌血症群:68名、非菌血症群:466名であった。食事摂取量が80%未満であることは感度86.8%(95%信頼区間 [CI],83.9-89.6)、特異度20.0%%(95%CI,16.6-23.3)で菌血症を予測し、陰性的中率91.2%(95%CI,88.8-93.6)、陰性尤度比0.66(95%CI, 0.23-1.94)で菌血症を除外した。このうち、最終食事から来院までの時間が大きく異なる夜間である午後10時から翌日午前8時までの症例を除くと、診断精度は感度93.9%(95%CI,91.8-95.9)、陰性的中率96.2%(95%CI,94.5-97.8)、陰性尤度比0.32(95%CI, 0.12-0.89)まで改善した。一方、悪寒戦慄があることは特異度92.9%(95%CI,90.7-95.1)、陰性的中率89.6%(95%CI,87.1-92.2)、陽性尤度比3.74(95%CI, 2.73-4.73)で菌血症を予測した。同様に除外した場合、特異度94.2%(95%CI,92.2-96.2)、陰性的中率91.0%(95%CI,88.5-93.4)、陽性尤度比4.21(95%CI, 3.22-5.19)まで改善した。 現在論文投稿準備中である。
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