研究課題/領域番号 |
19K16991
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研究機関 | 順天堂大学 |
研究代表者 |
友岡 清秀 順天堂大学, 大学院医学研究科, 助教 (90804708)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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キーワード | 鍼治療 / ツボ刺激 / 降圧効果 / ランダム化比較試験 |
研究実績の概要 |
2021年度では、鍼治療やツボ押しは交感神経活動の抑制を介して血圧を低下させると考えられることから、2020年度に実施したパイロットスタディのデータを用いて、鍼治療とツボ押しの組み合わせが自律神経機能に及ぼす影響に関する分析を行った。パイロットスタディには、10名(男性5名、女性5名、平均年齢55.9±7.8歳)の対象者が参加し、対象者は東洋医学的な診断に基づき、週1回1か月間(4回)の鍼治療と自宅での毎日のツボ押し(28回)を実施した。本研究では、介入開始前と終了後に5分間の自律神経機能検査(きりつ名人:クロスウェル社製)を実施するとともに、週1回の鍼治療の際にリアルタイム測定による自律神経機能検査(Reflex名人:クロスウェル社製)を実施した。介入開始前と終了後の自律神経機能の変化について対応のあるt検定により検討した結果、交感神経指標であるComponent Coefficient of Variance (CCV) LF/HFの平均値(標準偏差)は、介入前で0.24(0.16)、介入後で0.22 (0.16)であった(P>0.05)。鍼治療中のリアルタイム測定による自律神経機能の4回の鍼治療における変化について混合効果モデルにより検討した結果、各回におけるCCV-LF/HFは0.22(0.12)、0.18 (0.11)、0.20 (0.11)、0.17 (0.10)であった(P>0.05)。本パイロットスタディでは、介入前後ならびに鍼治療中のリアルタイムな自律神経機能測定において、交感神経活動の有意な変化は観察されなかったが、抑制される傾向が認められた。今後は対象者を増やし、更なる検証が必要であると考えられる。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
新型コロナウイルス感染症の感染拡大の影響により、介入実施施設との調整が困難となったこと、また、対象者のリクルートが難しいことから、研究計画の大幅な見直しを行い、コロナ禍でも実施可能な非対面型ランダム化比較試験による実施を計画した。非対面型ランダム化比較試験を行うため、研究計画の再作成とともに、実施のためのホームページ作成を行っている。尚、非ランダム化比較試験での実施については、2021年8月に倫理委員会による承認を得た。現在、ホームページなどの最終調整を行っており、2022年度6月頃の研究実施を目指し、準備を進めている。
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今後の研究の推進方策 |
2022年6月頃より非対面型ランダム化比較試験を実施する。同年11月頃より研究結果について分析を行い、2023年1月頃より報告書を作成する。
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次年度使用額が生じた理由 |
理由:新型コロナウイルス感染症の影響により研究計画の大幅な見直しが発生し、進捗が遅れているため。 使用計画:2022年度にランダム化比較試験を実施する。
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