本研究の成果は、これまで不明であった漢方薬の作用機序の一端を解明した。つまり、お血の治療薬の作用点として新たにトロンビンが追加され、既存の抗トロンビン薬がお血治療に利用できる可能性を見出した。また、「お血」が血液凝固系の因子であるトロンビンに関与していることが示唆された。更に、これまで抗トロンビン薬として未利用の化合物の抗トロンビン作用を明らかにしたことで、新たなトロンビン阻害薬のリード化合物の候補が加わった事は学術的に意義がある。これらのことから漢方薬のエビデンスが構築されたことで、漢方治療を積極的に利用する医師が増え、より国民が健康で過ごせる日常を増やすことに繋がることに社会的意義がある。
|