本研究はマーモセットを用いてヒトPDの発症起点と同じPDモデルを作成する。αsynucleinが神経細胞内に凝集体を形成し、神経変性を引き起こすため、この凝集体を用いたPDモデルを作成する。新規開発MarmoDetectorによる動作解析、生化学、病理学的解析で治療薬効果判定システムを作成し、新規薬剤の評価系への臨床応用をすすめる。 ①G51Dfibril投与モデルに対する実験 G51D変異αシヌクレインfibrilをマーモセットの左線条体に直接投与し、ヒトPDの病態に基づいた緩徐進行性のPDモデルマーモセットを作成する方法を確立している。実験に必要な個体数に対して投与を行った。寡動をMarmoDetectorで測定した。L-dopaといった薬剤に対する反応性を確認した。筋強剛の有無を確認した。各個体について、これら症状経過の経時的な推移を測定した。 ②6-OHDAモデルの作成 陽性対照として6‐OHDAをマーモセット左線条体に直接投与することで6‐OHDAによるPDモデルマーモセットを作成した。G51Dモデルとの比較のために、MarmoDetector測定、L-dopa反応性の確認、筋強剛の有無の評価を行った。陽性対照に必要な例数に対してこれらの症状を経時的に確認した。 ③MarmoDetectorについて 寡動の評価に対してMarmoDetectorを用いている。共同研究先でMarmoDetetorが使用できるようにセットアップを行った。 ④筋強剛測定装置の精度確認 これらのモデルの症状評価のため筋強剛測定装置を開発している。共同研究先のPDモデルマーモセットを用いて、筋強剛を検出できた。
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