筋強直性ジストロフィー1型(DM1)は、CTG塩基繰り返し配列の異常伸長が原因の遺伝性疾患であるが、DM1の重要な症状である進行性筋萎縮の詳細な機構は解明されていない。DM患者由来筋芽細胞では早期増殖障害が報告されているが、患者由来細胞での解析には限界がある。今回われわれはこうした早期増殖障害の機序を明らかにするため、条件付きで異常伸長リピートRNAを発現させることが可能なモデル細胞を構築した。これらのモデル細胞ではテロメア短縮と直接関連しない早期老化が引き起こされた。さらに、毒性RNA発現は、ミトコンドリア機能障害、過剰なROS産生、DNA損傷応答を引き起こすことを明らかにした。
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