筋萎縮性側索硬化症(ALS)のヒト剖検例及びモデルマウスの腰髄では、神経細胞間の情報伝達を担う電気シナプスを形成するコネキシン36(Cx36)の発現が低下していることが報告されている。本研究では、Cx36の脱落がALSの運動神経変性にどのように関与しているか、運動神経変性を抑制するための治療標的となりうるかを、ALSモデルマウスを用いて検討した。その結果、脊髄の運動ニューロンではCa2+/カルモジュリン依存性プロテインキナーゼⅡ(CaMKⅡ)サブクラスのうちCaMKⅡγ及びCaMKⅡβがCx36の可塑性を調整し、Cx36が形成する電気シナプスを回復するための標的候補となる可能性が示唆された。
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