我々は新規変異の可能性があるIle1273Pheをもつ症例について臨床症状,検査所見などを含め詳細に報告した.培養細胞を用いた電気生理学的検討ではIle1273Phe変異によるCa電流の異常は今回検出できなかったが,臨床症状が他の変異より軽いことを反映しているものと考えた.CACNA1G変異は,これまでに報告されている良性のてんかんや脊髄小脳変性症,小児発症の小脳萎縮症のみならず,West症候群,Rett症候群様発達障害等の幅広い疾患スペクトラムを形成している可能性を示した.これによりチャネルの変異によっておこる疾患,いわゆるチャネオパチーという疾患概念の理解がさらに進展するものと考えられる.
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