研究課題/領域番号 |
19K17027
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
間野 達雄 東京大学, 医学部附属病院, 助教 (20704331)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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キーワード | アルツハイマー病 / 神経細胞 / 興奮性活動 / DNA障害 |
研究実績の概要 |
アルツハイマー病の神経細胞を用いた解析から、DNA障害を適切に修復することが神経細胞の機能維持にとって必要であり、この機構の破綻がアルツハイマー病の発症において重要であることがわかった。これまでの報告とあわせて、特に神経細胞の活動がゲノムDNAの構造に障害をもたらすことがわかっており、神経細胞におけるDNA障害・修復のゲノムワイド解析が本研究の目的である。 神経細胞の活動依存性DNA障害の解析を行うことを目的として、DNA障害マーカーの変化を発現解析を用いて行うとともに、次世代シーケンサを用いて、ゲノムワイドにDNA障害マーカーおよび修復マーカーの広がりを検討した。ゲノムワイドにDNA障害マーカー・修復マーカーの解析を行うにあたり、使用できる細胞数に限界があったため、高感度かつ特異度の高い手法を選択する必要があった。これにより、神経細胞において活動依存性にDNA障害を生じることともに、DNA障害が特定のヒストン修飾のパターンに影響を受けていることが明らかになった。また、それによるゲノム構造の解析を行うため、ヒト脳由来の神経細胞および培養細胞による神経細胞を用いて、神経細胞核の3次元構造の解析を行った。セルソーターを用いた神経細胞核を用いて、高品質の3次元構造ライブラリを作出し、次世代シーケンサによる解析を実施中である。特にセルソーターを使って神経細胞特異的なデータを取得するにあたり、細胞核を分取する操作がライブラリの品質に影響することが明らかとなったため、ライブラリ調整の条件検討を行い、高品質なライブラリをえることができた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
神経細胞の活動依存性のDNA障害・修復について、DNA修復タンパク質のゲノムワイドな分布を明らかにすることができた。また、神経細胞のゲノムについて3次元構造を解析することができた。
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今後の研究の推進方策 |
活動依存性の神経細胞のゲノム構造変化を明らかにし、DNAの恒常性維持機構に関連する分子を同定する。
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