研究課題/領域番号 |
19K17034
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
角田 渓太 大阪大学, 医学系研究科, 医員 (20815500)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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キーワード | α-シヌクレイン / パーキンソン病 / レビー小体 / マウスモデル / 髄液 |
研究実績の概要 |
本研究は髄液からαーシヌクレイン凝集体の蓄積を超音波による増幅法で検出し、脳内の蓄積の程度との相関を示すことを目的としている。また細胞モデルとして、細胞外液中に放出される凝集体と細胞体内の凝集の程度の検討も行っている。 本年は昨年度に引き続き細胞モデルの構築とマウスモデルからの髄液回収ならびに野生型マウスと変異αーシヌクレイン発現マウスの比較検討を行った。細胞モデルでは蛍光標識したαーシヌクレイン過剰発現細胞を樹立し、凝集過程の観察と細胞外への放出の過程を観察した。外来の凝集体が内在の凝集を誘導する過程を超解像顕微鏡を用いてリアルタイムに可視化し、凝集が開始されやすい細胞内分画を同定し、凝集の伝播を防ぐ機構にも注目し検証を行った。またパーキンソン病の発症に関わると考えられる脂質を検証し、特定の脂質による凝集の誘導を確認した。 マウスモデルでは髄液回収を引き続き行い、まず探索的に変異αーシヌクレイン発現マウスと野生型マウスの髄液を横断的に回収し、αーシヌクレイン凝集体の蓄積量の評価を行った。当初は血液のコンタミネーションが問題となったが、技術の習熟とともにコンタミネーションは軽減し、RT-QuIC法による髄液中の凝集体の増幅法により、それぞれの髄液中のαシヌクレイン凝集体の評価を行った。その結果、変異型αーシヌクレイン発現マウスは野生型マウスよりも髄液のαーシヌクレイン凝集活性が高い傾向が見られ、今後さらに多数例での検証を行う予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
動物舎の移転工事に伴い十分なマウス数の確保が困難であり、細胞系を用いた検討を並行して行った
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今後の研究の推進方策 |
マウスでの髄液と脳内の凝集体の程度の比較と並行して、細胞モデルを用いて凝集体の形成と細胞外への放出機構の検討も行う
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次年度使用額が生じた理由 |
動物飼育施設の改修に伴う飼育数制限のため、動物実験に関連する費用は当初予定よりも少なく、次年度で実施の予定。
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