本研究では、有痛性三叉神経ニューロパチー患者の14.3%、小径線維ニューロパチー患者の12.7%で小径痛覚ニューロンに特異的に結合する抗Plexin D1抗体が陽性であることを明らかにした。次に、抗Plexin D1抗体陽性神経障害性疼痛患者血清からIgGを精製し、マウス髄腔内に投与したところ、有意な機械的痛覚過敏を認めた。以上の結果から、抗Plexin D1抗体は、一部の原因不明の疼痛疾患の責任抗体であるとともに、生体内において後根神経節などの体性感覚神経系に結合して神経障害性疼痛を惹起する可能性が示唆された。
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