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2021 年度 実施状況報告書

パーキンソン病の仮面様顔貌と認知症発症の関連についての検討:前向きコホート研究

研究課題

研究課題/領域番号 19K17038
研究機関横浜市立大学

研究代表者

東山 雄一  横浜市立大学, 医学部, 助教 (10722449)

研究期間 (年度) 2020-03-01 – 2023-03-31
キーワードパーキンソン病 / 仮面様顔貌 / 画像解析 / 表情解析
研究実績の概要

パーキンソン病(PD)の徴候として有名である仮面様顔貌は,これまで“facial bradykinesia”という側面から単純な運動障害と位置付けられ,近年注目されているPDの認知機能障害と仮面様顔貌との関連については検討されていなかった.そこで我々は最新のmotion capture技術を応用した表情解析技術によりPD患者の表情変化を定量化し,各種認知・情動機能検査の結果と比較することで,仮面様顔貌が純粋な運動機能障害ではなく,認知・情動障害を反映し,さらに将来の認知機能低下および認知症発症を予測する新たな疾患バイオマーカーのひとつであることを検証するための前向きコホート研究を行っている.
昨年度に続き本年度は,患者および健常者を対象としたベースラインのデータ収集を行い,voxel-based morphometryや,拡散テンソル画像(DTI)・安静時fMRIを用いた神経ネットワーク解析の前処理を開始した. しかし,COVID感染流行に伴う外来診療制限などもあり,被検者のリクルートが難航している. 感染症対策に留意しつつ,引き続きベースラインデータの取得を継続していく予定である.
なお,本研究により収集したベースラインデータを用いて,認知機能検査の一つである語流暢性検査の質的検討が,PDの軽度認知障害を高い感度・特異度で診断できることを示し,さらに安静時fMRI解析を行うことで,本検査結果が脳の大規模ネットワークの一つであるsalience networkの機能的結合性の低下と有意に相関することを示し,この結果をJournal of Parkinson's Disease誌に報告した.

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

4: 遅れている

理由

voxel-based morphometryや,拡散テンソル画像(DTI)・安静時fMRIを用いた神経ネットワーク解析を行うための解析環境構築を行い,患者・健常者データ取得のためのシステムを整えたが,COVID感染流行に伴う外来診療制限などもあり,被検者のリクルートが難航している.

今後の研究の推進方策

引き続きベースラインデータの取得を継続し,3.0テスラ MRIデータを含めた統計解析を行い,仮面様顔貌に関連のある臨床症候および脳領域・神経ネットワークを明らかにしていく予定である.

次年度使用額が生じた理由

被検者のリクルートが遅れており,本年度に予定していた各種検査およびMRI撮像などができなかったため.次年度も引き続きデータ収集を継続し,解析環境の強化などを行っていく予定である.

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2021

すべて 雑誌論文 (1件) (うち国際共著 1件、 査読あり 1件)

  • [雑誌論文] Qualitative Deficits in Verbal Fluency in Parkinson’s Disease with Mild Cognitive Impairment: A Clinical and Neuroimaging Study2021

    • 著者名/発表者名
      Hamada Tomoya、Higashiyama Yuichi、Saito Asami、Morihara Keisuke、Landin-Romero Ramon、Okamoto Mitsuo、Kimura Katsuo、Miyaji Yousuke、Joki Hideto、Kishida Hitaru、Doi Hiroshi、Ueda Naohisa、Takeuchi Hideyuki、Tanaka Fumiaki
    • 雑誌名

      Journal of Parkinson's Disease

      巻: 11 ページ: 2005~2016

    • DOI

      10.3233/JPD-202473

    • 査読あり / 国際共著

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公開日: 2022-12-28  

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