研究課題/領域番号 |
19K17046
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研究機関 | 杏林大学 |
研究代表者 |
徳重 真一 杏林大学, 医学部, 助教 (30814561)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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キーワード | 認知症 / 眼球運動 |
研究実績の概要 |
本研究の目的は、認知症患者の眼球運動の異常にどのような特徴があるかを明らかにし、それを認知症の早期診断に結び付けることである。 2019年度には認知症患者を対象とした研究の前段階として、正常被験者における眼球運動についての研究を行った。特にpremature saccadeという、視線が見たい方向とは逆の方向に動いてしまう現象について解析した。2020年度にはこの成果が英文誌Clinical Neurophysiologyに受理され、研究成果を英語論文で発表することができた(Tokushige SI et al., Premature saccades: A detailed physiological analysis. Clin Neurophysiol. 2021;132:63-76.)。 2020年度は、正常高齢者の視線解析の実験を行い、正常データを蓄積した。具体的には、60歳以上の健常被験者10名を募集し、図形を見たり物を探したりするタスクを実行しているときの視線の動きをビデオ式アイトラッキング装置で記録した。このデータは、次年度以降に認知症患者の視線解析のデータを解析するときの比較用に使用する予定である。正常高齢者と認知症患者の両方の視線解析データを比較することではじめて認知症の特徴を明らかにすることができると期待される。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
新型コロナウイルスの流行により、外出自粛の機運が高まり、実験への被験者を募集することに困難が伴うようになったため。
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今後の研究の推進方策 |
今後は認知症の患者の視線解析の実験を行いデータを蓄積し、これまで記録した健常者のデータと比較することによって、認知症患者の視線の特徴を明らかにしたいと考えている。
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次年度使用額が生じた理由 |
新型コロナウイルスの流行により外出自粛の機運が高まり、実験の被験者を募集するのに支障が出て、研究の進行が妨げられたため。
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