研究課題
若手研究
視線解析が認知症の診断に有用かどうかを検証するため、アルツハイマー病患者および健常高齢者を対象として、視覚記憶課題および視覚探索課題を施行し、その眼球運動を記録した。結果として、アルツハイマー病患者では健常者と比較して、図形の重要な部分を見ない、目標物を探索する際に長時間を要する、探索中の瞳孔径が拡大しない、といった特徴があることが判明した。これらの結果から、視線解析がアルツハイマー病の診断に有用であることを示すことができた。
視線解析
今回の結果から、アルツハイマー病の診断方法の一つとして視線解析という新たな手法を利用することが有用であることが分かった。現在、高齢化社会の到来によって認知症の患者数が増加し、特にアルツハイマー病はその中でも最大の患者数を占めているが、アルツハイマー病の治療成績を上げるためには早期診断が必要とされ、その方法が問題となっている。本研究の成果は、この早期診断を実現することに貢献するものであり、ひいてはアルツハイマー病の治療成績の改善にも寄与する可能性がある。