研究課題/領域番号 |
19K17048
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研究機関 | 聖マリアンナ医科大学 |
研究代表者 |
萩原 悠太 聖マリアンナ医科大学, 医学部, 助教 (90811802)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2021-03-31
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キーワード | 頸動脈狭窄 / SMI / 頸動脈ステント留置術 / 経口腔頸動脈超音波 |
研究実績の概要 |
本観察研究は頸動脈ステント留置術(CAS)を安全に施行することを目的としている。2019年4月~2020年3月において、まず我々は頸動脈超音波によりCAS6ヶ月後のステント内再狭窄の要因について後方視的に検討し、プラークの術前超音波所見とステントの種類がステント内再狭窄と有意に相関があることを明らかにした。本結果は、International Stroke Conference 2020において、「Preprocedual Carotid Plaque Characterization by Duplex Ultrasonography as a Predictor of in-Stent Intimal Restenosis 6 months After Carotid Stenting」として発表し、現在論文化を行っている。本報告により、CAS再狭窄の機序の一部が明らかになるものと考えている。 また並行して、CAS術前にSuperb Micro-vascular Imaging(SMI)を用いた頸動脈超音波検査を施行した症例を追跡し、SMI所見とステント内再狭窄の相関を検討している。現在前向き観察研究として進行中である。 また本研究の前段階のものとして2019年4月超音波造影剤とプラーク所見の関係をMedical ultrasonography誌に報告した。 当科における頸動脈超音波研究では、経口腔頸動脈超音波も積極的に行っている。経口腔超音波とSMIの併用が有用であることに関し、2019年5月J clin ultrasound誌に症例報告した。 また扁桃周囲膿瘍に対する排膿穿刺に経口腔頸動脈超音波のガイドが有用であることを2019年10月Diagnosticsに症例報告した。経口腔頸動脈超音波については2020年2月超音波検査技術誌に総説が掲載された。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
超音波研究に関する学会発表、論文報告に関しては順調に進んでいるが、「狭窄性頸動脈病変の診断におけるSMI超音波の有用性に関する観察研究」としては登録症例が少ない状況である。SMIの有用性、経口腔頸動脈超音波の有用性の報告は当初の予定を上回り進められている。「頸動脈ステント留置術後のステント内再狭窄と頸動脈超音波所見の関連の検討」を並行して後方視的に行っているが、本検討は国際学会での報告も終え、論文化をすすめており順調に進んでいる。 SMIの有用性をさらに深めるには、今後観察研究の登録数を伸ばしていく必要がある。
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今後の研究の推進方策 |
2020年度、上半期に以下の報告を予定している。「Preprocedual Carotid Plaque Characterization by Duplex Ultrasonography as a Predictor of in-Stent Intimal Restenosis 6 months After Carotid Stenting」を脳卒中関連英文誌に報告する。経口腔超音波の有用性の報告として「Utility of transoral motion-mode ultrasonography in the detection of tongue fasciculation」を脳神経領域英文誌に報告する。2020年度、下半期に以下の報告を予定している。脳神経超音波学会2020は2020年12月に延期となったが、ここで経口腔頸動脈超音波に関しシンポジウム講演とトピックス講演を学会より依頼されており、講演を予定している。最終的に観察研究として「CASにおけるSMIの有用性」を英文誌に論文報告し、本研究を終える。さらに、これらの結果を元に、SMIと経口腔超音波を他科領域に応用し、超音波研究を継続する。
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次年度使用額が生じた理由 |
新型コロナウィルスの影響で参加を予定していた学会が延期になったことや、その診療への従事のエフォートが発生したことが影響した。これら学会は延期となっており、次年度に参加する予定で全体での使用額計画としては変更はない。
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