【目的】SETD1A遺伝子が統合失調症の発症に大きな効果を持つリスク遺伝子であることを明らかにし、統合失調症の病態解明および根本的治療開発の分子基盤を得ることが、本研究の目的である。 【方法】本研究では、1) SETD1A遺伝子シーケンス、2) 関連解析という2つのアプローチを組み合わせる優れた研究デザインを用いて、「SETD1A遺伝子が人種を超えて統合失調症の発症に大きな効果をもつリスク遺伝子であること」を明らかにする。まず、SETD1A遺伝子の稀な変異を網羅的に検索するため、症例・対照サンプルを用いて、タンパク質コード領域の塩基配列を解読する。次に、SETD1A遺伝子が日本人においても統合失調症の発症に大きな効果をもつリスク遺伝子であることを確認するため、症例・対照サンプルを用いた関連解析を行う。なお、本研究はヒトゲノム・遺伝子解析研究に関する倫理指針や個人情報保護法を遵守し、新潟大学および各研究機関の遺伝子倫理審査委員会で承認されている。また対象者(必要に応じて代諾者)に対して十分な説明を行い、書面で研究参加の同意を得た。 【結果】SETD1A遺伝子シーケンスを症例924サンプルに対し実施し、データベースに未登録かつ複数のソフトにより有害と機能予測されたミスセンス変異は3個であった。
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