研究実績の概要 |
統合失調症 (SC)32人、年齢・性別をマッチした健常群 (HC)45人を対象に、血液中のカルボニルストレスとMRIでの脳構造について調べた。MRI撮像については3T-MRI(Prisma, Siemens)によるHigh Angular Resolution Diffusion MRI(HARDI)データの撮像を行い、NODDIのマルチコンパートメントモデルなどによる前処理等を行うことで、、1コンパートメントモデルである従来の拡散テンソル画像にくらべ格段に生物学的妥当性、検出力を上昇させた。その後、カルボニルストレスの評価には終末糖化産物のペントシジンとその代謝過程で低下するピリドキサールを用い、脳構造の評価には、Tract-Based Spatial Statistics (TBSS)を用いた全脳白質中心部分の構造評価をおこなった。現在までのところ、統合失調症群においてカルボニルストレスが亢進していることが確認され、統合失調症群の脳白質構造はカルボニルストレスに関連して変化するという有望な知見が得られており、結果について現在投稿準備中にある。 このほか、国内外の学会 (14th World Congress of Biological Psychiatry 2019, 第41回日本生物学的精神医学会AsianBP2019シンポジウム) においてシンポジウム発表 (Creativity and Positive Symptoms Revisited:Structural Connectivity Analysis with Diffusion Tensor Imaging) を行った。また、共著者として論文発表 (Gray matter volume reductions in patients with schizophrenia: A replication study across two cultural backgrounds, Psychiatry Research: Neuroimaging 2019)を行った。
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