研究課題/領域番号 |
19K17061
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
孫 樹洛 京都大学, 医学研究科, 研究員 (60771524)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2024-03-31
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キーワード | 統合失調症 |
研究実績の概要 |
昨年度までに得られた結果を専門科学誌に投稿し、現在追加解析、改訂を行っている。解析内容については以下の通りである。 拡散イメージングに優れた3T-MRI機種(Prisma)を用いて、統合失調症におけるカルボニルストレス関連マーカー(終末糖化産物のペントシジンとその代謝過程で低下するピリドキサール)と脳構造画像マーカーとの関連を調べた。統合失調症群、健常対照群合わせて77名分のデータを用いた。MRI画像マーカーの種類としては、T1強調構造画像、T2強調構造画像、軸索の病理を明らかにできるNeurite Orientation Dispersion and Density Imaging (NODDI)、神経炎症の可能性を推定できるFree Water Imagingを用いて、白質の微細構造異常を統合的に評価、検討した。脳構造の評価には、Tract-Based Spatial Statistics (TBSS)というソフトウェアを用いて、全脳白質中心部分の構造評価をおこなった。その結果、統合失調症群における白質構造の変化、およびカルボニルストレスの亢進と白質構造との関連に関する新奇性の高い知見が得られた。 また、現在投稿中の解析内容とは別に、機械学習を用いた高カルボニルストレス亜群の層別化、Gray-matter Based Spatial Statistics (GBSS)という解析手法を用いた全脳灰白質中心部分の構造評価、ミエリン成分の評価も行っている。新たな知見が得られればこれら結果についても論文発表を行う予定である。 また、今年度、上記内容に関連する学会発表を行う予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
論文受理までに追加解析、改訂を求められており時間を要しているため。
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今後の研究の推進方策 |
これまでの解析結果については引き続きまとめて、論文化を目指す。 また、機械学習を用いた統合失調症亜群の層別化、灰白質での構造解析などの解析を引き続き進める。
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次年度使用額が生じた理由 |
現在論文投稿中で、英文校正費用、出版費用の負担などが生じるため。 該当する研究内容を国内学会でシンポジウム発表予定で出張費用などが生じるため。 データ保管媒体などの備品が必要となるため。
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