今回、我々は統合失調症におけるカルボニルストレスの亢進、およびホモシステインの亢進が大脳白質構造の異常と関連することを報告した。本研究でその神経学的微細構造変化を明らかにすることにより、これらの代謝異常が統合失調症群における脳構造変化に関連した新たな交絡因子と考えられる可能性が示された。また、治療抵抗性統合失調症及び精神病発症危険状態に対し、カルボニルストレス軽減目的としてビタミンB6を補充することや、ホモシスチン軽減目的でベタインを投与することなど、新規治療・介入法の開発につながることが予想され、統合失調症研究・臨床治療現場に対する学術的意義、社会的意義は大きいと考えられる。
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