研究課題
注意欠如・多動症(Attention Deficit Hyperactivity Disorder:ADHD)が神経発達症として認識されて久しいが、近年はその異質性が注目されている。また逆境的小児期体験(Adverse Childhood Experience : ACE)と成人後の精神障害の発症との関連が示唆されている。熟練した2名の精神科医が対象患者に半構造化面接CAADID (Conners' Adult ADHD Diagnostic Interview For DSM-Ⅳ) (日本語版)を行い、小児期及び現在のADHD症状を確認した。ADHD群で、ACE質問紙表を用いて逆境的小児期体験への暴露の有無を調査した。併存症として、知的発達症、精神病性障害、神経認知障害、器質性疾患を伴うものは除外した。ACEスコアが0の場合、ACE暴露(-)群、ACEスコアが1以上の場合にACE暴露(+)群とした。全ての対象者に対して、背景情報、社会的機能(LSAMI)、ADHD症状の重症度(CAARS)、認知機能(WISC-III、CAT)、脳画像(MRI)、神経生理学的検査(ERP、NIRS)を行った。ADHD・ACE(+)はN=4、ADHD・ACE(-)はN=6を多変量解析を行ったが、すべての項目で有意差は認めなかった。今年度は症例数が予定よりも少なかったので、2年目はADHD群のリクルートをさらに行い、ADHD・ACE(+)とADHD・ACE(-)について、さまざまな違いを検討していく予定である。
3: やや遅れている
ADHD群の被験者リクルートが難航している。
ADHD群の被検者リクルートにつき、募集用のポスターを作成するなどして広報し、対応していく。
すべて 2020 2019
すべて 雑誌論文 (4件) (うち査読あり 4件、 オープンアクセス 2件) 学会発表 (8件) (うち国際学会 4件)
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