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2022 年度 実績報告書

発達早期の腸内細菌叢による認知特性への影響の解明

研究課題

研究課題/領域番号 19K17072
研究機関東海大学

研究代表者

渡邉 己弦  東海大学, 医学部, 助教 (60794120)

研究期間 (年度) 2019-04-01 – 2023-03-31
キーワード無菌マウス / 腸内細菌叢 / 脳腸相関 / 認知機能特性 / 行動解析
研究実績の概要

本研究は、マウスの腸内細菌叢の精神活動への影響について、宿主の認知機能特性に焦点を当て検証した。BALB/cマウスを、無菌(GF)マウス、および無菌マウスに病原体を保有していないマウスの常在腸内細菌叢を経口投与した (EX-GF) マウス群の2群に分類した。無菌状態を維持した環境下で認知機能特性の観察の報告はほとんどない。したがって我々は、認知機能特性評価について、無菌環境下のアイソレ ーター内で行う実験系の確立に、まず取り組むこととした。アイソレータ内での無菌を維持するための飼育や繁殖、その中で行動観察を行うための器具の製作を精緻に行った。認知機能特性評価のため、Y字迷路課題を使用し、自発的交替行動を測定し、短期記憶(空間的ワーキングメモリ)を観察した。8週齢のマウスで、それぞれの群で、無菌環境下で8分間、Y時迷路課題を行った。その様子をビデオ観察し自発的交替行動率を測定した。
GFマウスとEx-GFマウスでは、自発的交替行動率の明らかな差は見られなかった。以上の結果から、腸内細菌叢が、短期記憶に影響を及ぼす可能性が低いことが示唆された。本研究は、腸内細菌叢による精神活動や行動への影響を、飼育や繁殖が容易ではない無菌マウスを使用して明らかにしたところに、学術的意義がある。我々の研究では、腸内細菌叢が宿主の不安や攻撃性に影響を与えることを解明した。本研究では、腸内細菌叢が影響する行動特性、認知機能特性の細かなプロファイルを示唆した。この点は、腸内細菌叢の重要性を示唆し、重要な社会的意義を有する。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2023

すべて 雑誌論文 (1件)

  • [雑誌論文] 腸内細菌叢の自閉スペクトラム症への影響 治療介入を中心に(総説)2023

    • 著者名/発表者名
      三上 克央, 渡邉 己弦, 木本 啓太郎, 栃尾 巧, 赤間 史明
    • 雑誌名

      精神医学

      巻: 65 ページ: 119-129

    • DOI

      10.11477/mf.1405206834

URL: 

公開日: 2023-12-25  

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