研究課題/領域番号 |
19K17073
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研究機関 | 関西医科大学 |
研究代表者 |
砂田 尚孝 関西医科大学, 医学部, 助教 (30809398)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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キーワード | レビー小体型認知症 / 抗認知症薬 / 治療反応性 / 個別化医療 |
研究実績の概要 |
本研究は、遺伝子情報を元にし、レビー小体型認知症(DLB)における抗認知症薬の治療反応性や介護負担を検証し、DLB患者の個別化医療の構築を目的としている。 本年度の実績は以下の通りである。市の地域包括支援センター及び保健センターで症例発表を行い、当事者の介護負担を聴取し、適切な評価尺度を選定した。課題名「認知症及び軽度認知障害個別化治療アルゴリズムの構築を目的とする生物学的反応予測因子の探索・検証試験」で本学倫理審査委員会の審査を受けている。網羅的ゲノム解析に際して、偶発的所見への対応の倫理的配慮が変わり、遺伝カウンセリングの必要性が生じた。遺伝カウンセリングの体制構築をし、倫理審査委員会で研究計画を再審査中である。また、DLB患者9名を選定し、倫理審査委員会の承認後、速やかにリクルートが出来るよう体制を整えている。 学会活動は、老年精神医学会、認知症学会学術集会に参加し、DLBの最新の知見を学び、臨床精神神経薬理学会で、演題名「大うつ病性障害患者におけるミルタザピンと選択的セロトニン再取り込み阻害薬の治療反応とABCB1遺伝子多型の関連」を発表し、遺伝子解析方法を更新した。 論文作成作業は、他の疾患で遺伝子情報から治療反応性を検証した「Sunada N et al., Brain Volume-Related Polymorphisms of the Glycogen Synthase Kinase-3β Gene and Their Effect on Antidepressant Treatment in Major Depressive Disorder; Neuropsychobiology, 78(3): 136-144, 2019」を筆頭著者として発表した。 来年度は、患者のリクルートを行い、データを集積後、解析を行い有用な結果を得て、学会及び論文発表を予定している。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
倫理審査委員からの承認を得るまでの過程に想定以上の時間を要してしまった点が研究の進捗状況の遅れにつながっていると考えられる。また、6月~12月の繁忙期において、そのほか同時進行で進んでいる研究業務やそれに付随する小規模な研究会での発表を複数要し、上記の期間の間、想定していたエフォートを本研究に割くことができなかったことも理由としてあげられる。一方で、2019年に偶発的所見への対応の倫理的配慮が大きく変わった中で、柔軟に研究遂行に関する体制を整えられた。また、現在通院中の対象者9名は倫理審査委員会の承認の後、同意が得られれば、すぐにリクルートを行える体制になっており、進捗の深刻な遅れは回避できたと考えられる。
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今後の研究の推進方策 |
2020年度は倫理審査委員会の承認後、速やかに研究対象のリクルート、研究内容の実施を行う予定である。2020年度はサンプルの測定、解析に研究費を使用することが予想される。2020年の年度末には中間解析等のプレリミナリーな発表を小規模の研究会において行い、聴講者からの意見を伺いたいと考えている。
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次年度使用額が生じた理由 |
本年度は倫理審査委員会の承認を得るのに、時間を要し、当初計画していた研究進行度に比べ、研究実施可能日がずれ込んだため。次年度1年間を中心として、リクルートおよび遺伝子解析のために予算を執行する予定である。
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