本研究は、統合失調症とオキシトシン/バソプレシン系システムとの相関性を検討した研究であるが、とりわけ、通常の抗精神病薬の治療に対して反応に乏しい治療抵抗性統合失調症の病態に焦点を当てて実施された。結果としては、オキシトシン受容体の一塩基変異、血清オキシトシン濃度と統合失調症の陽性症状・陰性症状との相関、社会認知機能との相関性が認められた。またバソプレシンについても、バソプレシン受容体一塩基変異と陰性症状や社会認知機能との相関性が認められた。これらの結果から、治療抵抗性統合失調症の病態の一部にはオキシトシンやバソプレシンが関与していることが示唆された。
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