本研究では、末梢血白血球におけるlncRNAの発現変化がうつ病のバイオマーカーになりうるかを検証した。定量的逆転写リアルタイムPCR(RT-qPCR)分析を用いて、うつ病(MDD)患者と健常者各29名のlncRNA発現解析を行った。健常者と比較してMDD患者ではRMRPの発現が減少しており、Y5、MER11C、PCAT1、PCAT29の発現が増加していた。RMRPの発現レベルは、うつ症状の重症度と負の相関を認めた。さらに、うつ病モデルマウスの末梢血白血球においてもRMRP発現は減少していた。RMRPの発現変化はMDDの診断バイオマーカーのみならず重症度のバイオマーカーになる可能性も示唆された。
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