昨年度はうつ病患者49名、健常対象者38名について酵素法によるL-グルタミン酸測定キットを使用し、自動分析装置(TBA-120FR)で血漿中L-グルタミン酸濃度を定量した。このうち、うつ病患者16名、健常対象者20名については血漿中総グルタミン酸濃度をCE-TOFMSで定量した。 最終年度は酵素法によるL-グルタミン酸測定キットを改良し測定精度を高めたものを使用して昨年度のサンプルの一部を再測定しCE-TOFMSで定量したグルタミン酸濃度とより強い相関を確認した。 これらのうち、健常対象者21名と治療前後のサンプルが測定可能であったうつ病患者17名について健常対象者、未治療うつ病、治療後うつ病の3群間の血漿中グルタミン酸濃度について比較した。 この結果、健常対象者群に比べ未治療うつ病群では血漿中グルタミン酸濃度が有意に高く、患者群では抗うつ薬で治療後に血漿中グルタミン酸濃度が低下している傾向がみられた。
|