電気けいれん療法は、近年その有効性が科学的に再確認され、重篤な精神症状を持つ患者に有意義な治療方法となっているが、施行後1年1内に30~50%の患者において精神症状の再発が認められるという高い再発率が問題となっている。本研究の目的は、重度の精神症状のために、初めて電気けいれん療法が実施される気分障害と統合失調症スペクトラム障害の患者を対象に、電気けいれん療法術後12か月間での精神症状の再発の有無と術前の精神症状、臨床背景、電気けいれん療法の治療パラメーター、術前、術直後、術後3か月、再発時の精神症状と末梢血炎症・酸化ストレスマーカーの変化との関連を検討し、電気けいれん療法の再発予測指標を明らかにすることである。2019年は統合失調症3例、うつ病1例、双極性障害2例の全6例をリクルートし、うち統合失調症の2例は有害作用による電気けいれん療法の中止、双極性障害の1例は再発、うつ病の1例は再発した。2020年度は統合失調症5例、うつ病2例の全7例をリクルートし、うち統合失調症の2例は再発した。2021年度は統合失調症4例、うつ病4例の全8例をリクルートし、うち統合失調症の2例は再発、うつ病の1例は再発した。2022年度は統合失調症1例、うつ病7例、双極性障害1例をリクルートし、うち双極性障害の1例は再発した。よって2019年と2020年と2021年と2022年の4年度でリクルート症例数は全部で30症例となっており、2023年4月の時点では再発が統合失調症4例、うつ病2例、双極性障害2例、中止が2例になる。
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