研究実績の概要 |
GID群35例、健常コントロール群35例に加えて、代表的な精神疾患である統合失調症群35例を追加した。理由として、発症年齢の異なる統合失調症はGWAS遺伝研究においてGIDとの独立性が示されているものの、Exome解析での結果は新規性が高いため、採用する価値があると考えたからである。特に統合失調症に関しては、遺伝研究が最も進んでいる精神疾患のうちの一つで、様々な人種における大規模な研究結果が無償で手に入る状況があるため、referenceとしての価値を見出すことが可能であると考えたのも一因である。 理研ジェネシスにて上記105サンプルのExome解析を行ったが、解析方法はInfinium Omni2.5Exome-8 Kitを用いたExome解析で、AsianScreeningArrayのデモデータ(12サンプル)から1000SNPを抜き出し、GenomeStudio→ PlinkInputReportPlugin → Plink1.9 → VCFの形式で、当方での解析ステージに移行した。 得られたexomeのSNPsデータをもとに、(Dataset #1) GID群と健常群、(Dataset #2) GID群と(健常群+統合失調症群)、(Dataset #3) GID群と統合失調症群、それぞれで予備的なGWASを実施し、Manhattan plotを作成したところ、Dataset#2において、15番染色体の一部のSNPs(rs7181923, rs28469650)に弱い関連が示唆されたものの、明確な結果は得られなかった。 今後は、データベース等に公開されているexomeのSNPsの結果などを用いて、健常群の個体数を大幅に増やし、さらに詳細な解析を行うことによって、GIDに関連するSNPsの検出をより確実に進める予定である。
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