研究課題
昨年度に引き続き、令和2年度は、思春期(12歳から24歳)の患者のうち主治医からICD-10でF2(精神病性障害)、F3(気分障害)、F4(神経症性障害)の診断を受けた研究参加者と年齢、性別をそろえた健常対象者に対し、聴覚関連電位脳波の計測と臨床症状、認知機能(BACS-J)、社会機能の評価を行った。脳波計測は、先行研究で確立した課題によりMMNとASSRを取得し、解析した。また、思春期の精神疾患を持つ患者におけるQOLの縦断的変化について、原著論文を発表した(Usui et al., Psyciatry Clin Neurosci. in press.)。また、ASSRの発生に聴覚野から広がるネットワークが関与することを明らかにし、原著論文として発表した(Tada et al., Cereb Cortex, 2021)。
2: おおむね順調に進展している
当初の計画通り、昨年度に整備したリクルート体制のもと、思春期の精神疾患患者を対象とした聴覚課題を用いた脳波計測を行った。ASSRの発生に聴覚野から広がるネットワークが関与することを明らかにし、原著論文として発表した(Tada et al., Cereb Cortex, 2022)。また思春期患者の縦断的なアウトカムの変化について、解析し原著論文として発表した。
引き続き、聴覚課題を用いた脳波計測を行い、臨床症状、認知機能(BACS-J)、社会機能などの予後との関連を調べる予定である。
当該年度に脳波電極とワークステーションの新規購入を予定していたが、COVID-19感染対策のため、リクルート数が当初予定より少なく、使用中のものの消耗が軽度で、計測と解析が可能となった。また、研究者の出産に伴う休職期間を考慮し、次年度以降も、引き続き、対象者のリクルートを行い、データ数を増やして研究を継続することとした。
すべて 2022 2021
すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 2件、 オープンアクセス 1件)
Psychiatry Clin Neurosci .
巻: - ページ: -
10.1111/pcn.13359.
Cereb Cortex .
巻: 31 ページ: 4518-4532.
10.1093/cercor/bhab103.