「心の理論」の機能獲得の遅れは自閉スペクトラム症 (Autism Spectrum Disorder: ASD)の重要な徴候であるが、発達初期の「共同注視」の障害がその後の心の理論の障害を強く予測すると言われている。「共同注視」は注視点を指標とすることにより、定量的に評価することが可能である。そこで、我々はこの「共同注視」に注目し、その責任脳回路を特定することにより、「心の理論」やASDの脳基盤に迫ることができると考えた。「共同注視」を形成するシステムが明らかになれば新たな治療法の開発や生物学的指標の構築に繋がる可能性もあり、非常に学術的価値は高い。
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