本研究は、HBC Study に参加する児812名を対象に、幼児期(18ヶ月)の感覚に対する敏感さが、同時期の自閉スペクトラム症(ASD)の特性と関連するかどうか、幼児期の感覚に対する敏感さが学齢期(9歳)の認知機能と関連するかどうかを検討することを目的とした。解析の結果、18ヶ月の感覚の敏感さは、WISC-Ⅳの下位検査のうち、言語理解、知覚推理と有意な関連を示した。層別解析では、男児でのみこれらの有意な関連がみられた。幼児期にみられる感覚に対する敏感さは、男児において、学齢期の言語的な能力を予測するだけでなく、非言語性の推理力といった能力をも予測すると考えられた。
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