前頭側頭型認知症の原因遺伝子であるC9orf72のG4C2異常延長リピートは、non-AUG翻訳を介してジペプチドリピートタンパク(DPR)へと翻訳され、病態の一因となると考えられている。TDP-43やFUS陽性の細胞内封入体はストレス顆粒が不溶化したもので、細胞ストレス応答との関連が示唆されている。本研究ではストレス応答下で選択的に誘導される翻訳機構とDPR産生の関連を明らかにするために、non-AUG翻訳が用いる翻訳開始因子またはその調節因子の同定について検証を行った。現在、これまで同定した因子の作用機序の検証や解析を行っており、研究成果をまとめて英文論文の投稿を目指している。
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