研究課題/領域番号 |
19K17115
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研究機関 | 京都府立医科大学 |
研究代表者 |
富永 敏行 京都府立医科大学, 医学(系)研究科(研究院), 准教授 (50360037)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2024-03-31
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キーワード | 身体症状症および関連症群 / 認知行動療法 / 身体的苦痛症 / 遠隔精神医療 / 身体表現性障害 / 集団精神療法 / Telepsychiatry |
研究実績の概要 |
「身体症状症および関連症群(Somatic Symptom and Related Disorders:SSRD)に対するグループ認知行動療法の効果」(当学学内医学倫理審査委員会ERB-C-1943)について2021年12月から開始している。その病態の概要および理論については、2022年度の主な論文を次に示す。1)富永敏行.身体症状症と解離症.精神科. 第40巻第4号.494-502.科学評論社 2022. 2) 身体症状症.さまざまな場面で遭遇する精神疾患 思春期から成人期によくみられる精神疾患. 第151巻216-218,日本医師会雑誌, 2022. 学術大会では、第118回日本精神神経学会総会「シンポジウム身体症状症および関連症群のテーラーメイド治療ー難治例へのストラテジーを中心にー」のメインコーディネーターを担当。また、シンポジストとしても「身体症状症および関連症群に認知行動療法は何ができるのか」を講演(2022年6月17日.福岡)を企画、発表した。 本研究は、先述の通り、2021年12月から開始している。1グループで患者は3人、臨床心理士(公認心理師)1名、精神科医の私の合計5名で構成され、オンラインで参加としている。1セッション90分間、1クール8セッション、週に一回開催している。セッションは電子データで録画し、外部環境とは隔絶された個人認証を要するパソコンに保存している。各セッション後には心理検査を紙媒体あるいはオンラインで自己記入式回答で実施し、効果判定をしている。現在、第10グループ(1グループ3名の患者)で実施中で、n=30である。現時点で脱落は1名のみである。患者からの評価は概ね良い。苦情やトラブルも発生してない。今後、データ解析を行っていく。2023年第10回世界認知行動療法学会(2023年6月1ー4日、韓国)で中間報告を行う予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
身体症状症(Somatic Symptom Disorder; 以下、SSD)および関連症群(Somatic Symptom and Related Disorders:SSRD)に対するグループ認知行動療法の有効性を検証するため、中核群のSSDについて、効果判定できる尺度の作成中である。Toussaint A.ら によって開発されたSSD-12尺度の日本語版を作成中である。原著者には許可を得て、逆翻訳も行 い、日本語版は作成済みである。SSDー12日本語版の信頼性および妥当性の検証については、当学医学倫理審査委員会を通している(ERB-C-1346-3)。現在、160 症例集まっている。SSD12日本語版の現時点での状況を2023年第10回世界認知行動療法学会(2023年6月1-4日、韓国)で中間報告を行う予定である。 研究推進のために他科診療連携を強める目的で、2020年6月専門の紹介初診枠を開設した。同年、本研究者と疼痛緩和科が主体となり、当院が厚生労働行政推進調査事業費補助金研究班の集学的痛みセンターを立ち上げ、2020年10月に施設認定された。SSRDの 啓蒙、当科での診療、被検者のリクルートに繋がっている。 計画途中の途中でCOVID19感染症のパンデミックのため、病院内でグループ形式での実施が困難になり、計画をオンラインでの実施に切り替え、医学倫理審査委員会でも計画変更をした。「身体症状症および関連症群(SSRD)に対するグループ認知行動療法の効果」(当学学内医学倫理審査委員会ERB-C-1943)について2021年12月から開始できた。2023年3月末に予定数の10グループ(n=30)に行ったので、今後、データ解析を行っていく。本研究の中間報告を2023年第10回世界認知行動療法学会(2023年6月1-4日、韓国)で行う予定である。
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今後の研究の推進方策 |
被験者への実施に際して、コロナ禍で実施方法を、当初の病院内で行う方法から感染予防のためにオンライン方式に変更したため、開始がずれ込んだため、全体に進捗がやや遅れている。2023年3月末に予定数の10グループ(n=30)に実施済みである。今後、集積されたデータを統計解析していく。2023年度は研究の効果の精度を向上させるために対照群を用いることを検討している。データ解析を行うため、研究補助員の人件費を必要とする。まずは統計解析ソフトを用いた一元配置分散分析により、開始前(T0)、治療介入前後(T1, T2)、フォローアップ(T3)の比較を行い、治療介入効果を調べる予定である。
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次年度使用額が生じた理由 |
被験者への実施に際して、コロナ禍で実施方法を、当初の病院内で行う方法から感染予防のためにオンライン方式に変更したため、開始がずれ込んだため、全体に進捗がやや遅れている。2023年3月末に予定数の10グループ(n=30)を満たした。今後、研究の効果の精度を向上させるために対照群を用いることを検討しており、データの入力作業などで人件費を計上する。集積されたデータを用いて解析を行っていくため研究補助員の人件費を必要とする。SPSSなど統計解析ソフトを購入し、一元配置被験者内要因分散分析により、開始前(T0)、治療介入前後(T1, T2)、フォローアップ(T3)の比較を行い、治療介入効果を検討する予定である。
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