本研究では、第2世代抗精神病薬の持効性注射剤の投与を受けて、症状の安定している統合失調症患者を対象として、注射剤の用量を減量する群と維持する群に無作為に分け、その後52週間に渡って追跡し、精神症状、認知機能、社会機能、主観的体験、副作用を評価した。目標症例数を100名としていたが、Covid-19の感染拡大により被験者の組入れが大幅に遅れ、38名の組入れにとどまり、うち24名が評価を完了した。24名のうち再発した患者は減量群・維持群ともにおらず、また、精神症状、認知機能、社会機能、主観的体験、副作用の全項目において、減量群と維持群の間に有意差は見られなかった。
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