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2019 年度 実施状況報告書

レビー小体病に由来する老年期精神障害に関する18F-FDG PET所見の検討

研究課題

研究課題/領域番号 19K17119
研究機関順天堂大学

研究代表者

笠貫 浩史  順天堂大学, 医学部, 准教授 (90648859)

研究期間 (年度) 2019-04-01 – 2023-03-31
キーワードレビー小体病 / レビー小体型認知症 / 脳機能画像 / 老年精神医学 / 老年期精神障害 / 前駆症状
研究実績の概要

本研究は、「老年期精神障害」として総括される高齢者の多彩な臨床類型(例:老年期における双極性障害や妄想性障害)について、「レビー小体病」を背景疾患に持つ一群ではどのような臨床的特徴があるのか、同定することを目的としている。
初年度(2019年度)はまず、4カ年計画の初段階として、当施設物忘れ外来初診患者のうち、認知障害や精神病症状が出現する以前の「(レビー小体病)前駆症状」に注目して、その特徴を検討した。レビー小体型認知症(dementia with Lewy bodies, DLB)の前駆症状としては、「立ちくらみ」「便秘」「嗅覚異常」「レム睡眠行動異常」が既に明らかとなっている。さらに、「抑うつ」はDLBの精神症状として重要で、しばしば早期から出現することが知られているため、これも前駆症状の確認項目として加え、老年期うつ病評価尺度の初診時の得点を確認した。
これら5種類の前駆症状について7つの質問項目に集約して外来初診連続症例約500例について聴取をした結果、およそ14%で4項目以上が合致することが分かった。前駆症状を多く有する群、すなわちレビー小体病を背景疾患に持つ可能性の高い一群については、さらに画像バイオマーカー(MIBG心筋シンチグラフィ、ドパミントランスポーターSPECT)の様態を確認したところ、多くの症例でレビー小体病を支持する結果が得られた。神経心理学的検査に関しては、全般的認知機能(改訂長谷川式簡易知能評価スケール、MMSE)スコアの程度に依らず前駆症状が多く当てはまる症例が存在することが分かった。また、老年期うつ病評価尺度について、「抑うつ以外の前駆症状が多く当てはまる群」では「抑うつ以外の前駆症状を少数持つ群」よりも高得点を示すことが分かった。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

高齢者専門外来コホートにおいて、臨床的特徴としてレビー小体病の前駆症状に着目したデータを収集する目的を達成でき、レビー小体病の疑いがある群について神経画像検査を実施できたため。

今後の研究の推進方策

初年度に検討した前駆症状に関するデータを踏まえ、令和2年度には老年期精神障害症例群に対して神経画像、神経心理検査実施を予定する。

次年度使用額が生じた理由

成果発表を予定していた学会参加を見合わせたため。

  • 研究成果

    (5件)

すべて 2020 2019

すべて 雑誌論文 (2件) 学会発表 (3件)

  • [雑誌論文] レビー小体型認知症の診断基準は実際にどの程度の的中性があるのだろうか2020

    • 著者名/発表者名
      笠貫浩史
    • 雑誌名

      精神科治療学

      巻: 35 ページ: 207-212

  • [雑誌論文] 仮性認知症2019

    • 著者名/発表者名
      笠貫浩史, 馬場 元
    • 雑誌名

      精神科治療学

      巻: 34増 ページ: 74-76

  • [学会発表] 物忘れ外来における小工夫 レビー小体病前駆症状質問紙"DCARD"の活用2019

    • 著者名/発表者名
      笠貫 浩史, 比賀 雅行, 山崎 貴弘, 谷 恵梨子, 西口 素, 済田 貴生, 當眞 皇咲, 夏目 俊太朗, 遠藤 野恵美, 萩原 幹子, 佐藤 潔, 一宮 洋介
    • 学会等名
      第38回日本認知症学会学術総会
  • [学会発表] 多彩な精神神経症状で初発したビタミンB12欠乏症の1臨床例2019

    • 著者名/発表者名
      當眞 皇咲, 笠貫 浩史, 一宮 洋介, 新井 平伊
    • 学会等名
      第34回日本老年精神医学会
  • [学会発表] 物忘れ外来におけるレビー小体病前駆症状質問紙"DCARD"の有用性(第1報)2019

    • 著者名/発表者名
      笠貫 浩史, 比賀 雅行, 西口 素, 當眞 皇咲, 済田 貴生, 遠藤 野恵美, 萩原 幹子, 一宮 洋介, 新井 平伊
    • 学会等名
      第34回日本老年精神医学会

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公開日: 2021-01-27  

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