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2023 年度 実施状況報告書

レビー小体病に由来する老年期精神障害に関する18F-FDG PET所見の検討

研究課題

研究課題/領域番号 19K17119
研究機関聖マリアンナ医科大学

研究代表者

笠貫 浩史  聖マリアンナ医科大学, 医学部, 教授 (90648859)

研究期間 (年度) 2019-04-01 – 2025-03-31
キーワードレビー小体病 / レビー小体型認知症 / 脳機能画像 / 老年精神医学 / 老年期精神障害 / 前駆症状
研究実績の概要

精神症状発症型の前駆期レビー小体型認知症(DLB-psych)をどのように統合的に整理・理解すべきであるか、国際的視点からいってもいまだ議論は収斂していない現状がある。このことは豪州のグループによる最近のscoping reviewにも述べられている(Gunawardana, J Neurol.271(1):606-617, 2024)。脳生検の実施は非現実的であることから、DLB-psychの同定にあたってはバイオマーカーの活用が重要である。臨床表現型のパターンに着目した画像所見整理は重要であり、今後も知見を蓄積する必要がある。
2023年度は本研究で得られた知見に関連して、老年精神医学および認知症関連の学会シンポジウムへの登壇や学術誌への総説執筆等を行った。
・学会シンポジウムは日本老年精神医学会(春季・秋季)においてそれぞれレビー小体型認知症前駆状態に関するシンポジウム演題について発表した。また9月には日本精神科診断学会、11月の生物学的精神医学会には老年期精神障害の器質因に関するシンポジウム演題発表をそれぞれ行った。
・レビー小体病に起因する老年期精神障害との関連性について、特にVery late-onset schizophrenia-like psychosis(VLOSLP)との関連性に特に着目して総説的内容を「精神医学」誌に寄稿した(精神医学,第66巻第4号, 2024年4月発行)。
上記Scoping reviewで触れられているように、DLB-psychの解明にはより長期的視点に基づく縦断フォローが必要であることが明らかになりつつある。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

主要因はコロナ禍の影響および研究代表者の所属先変更の二点である。コロナ禍以降、フォローアップ対象者は通院が途切れてしまった。感染対策上の観点からその中断を克服しがたい事情もあった。また所属先の変更に伴い、FDG-PET撮像例を蓄積することが実質的に困難となっている。このため、IMP-SPECT施行症例に関する知見整理を行い、特に妄想性うつ病を示す高齢者例に関する解析を行っている。

今後の研究の推進方策

研究代表者の現所属である聖マリアンナ医科大学病院において、施行可能なIMP-SPECT検査を用いた老年期精神障害例、特に妄想性うつ病例に関する臨床神経画像所見の検討を進める。

次年度使用額が生じた理由

2023年度に参加の叶わなかった予定学会が2024年度にあるため。また蓄積データの解析および論文化が2024年度にも生じているため。

  • 研究成果

    (14件)

すべて 2023

すべて 雑誌論文 (2件) 学会発表 (12件) (うち招待講演 2件)

  • [雑誌論文] 高齢者の〈モノワスレ〉を診る・聴くことについて2023

    • 著者名/発表者名
      笠貫浩史
    • 雑誌名

      精神科治療学

      巻: 38 ページ: 445-448

  • [雑誌論文] 認知症という言葉の成り立ちとスティグマ2023

    • 著者名/発表者名
      笠貫浩史
    • 雑誌名

      精神科治療学

      巻: 38 ページ: 1173-1178

  • [学会発表] 認知症前駆段階における神経精神症状.レビー小体型認知症の前駆状態-MCI-LBの整理2023

    • 著者名/発表者名
      笠貫浩史
    • 学会等名
      第38回日本老年精神医学会春季大会
  • [学会発表] コロナ禍における当院神経精神科の取組みと気づき2023

    • 著者名/発表者名
      笠貫浩史
    • 学会等名
      第25回日本医療マネジメント学会学術総会
    • 招待講演
  • [学会発表] アルツハイマー病理と血管性病変で、全経過8年のせん妄と行動障害をきたした90歳女性の剖検例2023

    • 著者名/発表者名
      東晋二、笠貫浩史、渡辺亮平、佐々塚涼弥、井上猛、秋山治彦、松原大祐、新井哲明
    • 学会等名
      第64回日本神経病理学会総会学術研究会
  • [学会発表] レビー小体型認知症と老年期精神障害に関する臨床的整理.2023

    • 著者名/発表者名
      笠貫浩史
    • 学会等名
      第42回日本精神科診断学会
  • [学会発表] 老年精神医学における類型と疾患単位2023

    • 著者名/発表者名
      笠貫浩史
    • 学会等名
      第38回秋季日本老年精神医学会大会
  • [学会発表] 老年期精神病の概念と病態解明の困難について2023

    • 著者名/発表者名
      笠貫浩史
    • 学会等名
      第45回日本生物学的精神医学会年会
    • 招待講演
  • [学会発表] 疾患と類型のはざま―DLB概念誕生の意義について―2023

    • 著者名/発表者名
      笠貫浩史
    • 学会等名
      第17回レビー小体型認知症研究会
  • [学会発表] 知っておきたいアルツハイマー病のこと―新薬の到来を迎えて―2023

    • 著者名/発表者名
      笠貫浩史
    • 学会等名
      第40回日本森田療法学会
  • [学会発表] メランコリー症例の微小妄想について2023

    • 著者名/発表者名
      工藤弘毅、笠貫浩史、古茶大樹
    • 学会等名
      第42回日本認知症学会学術集会
  • [学会発表] 早発性レビー小体型認知症の臨床的特徴の検討2023

    • 著者名/発表者名
      笠貫浩史、Tanis J Ferman、Dennis W Dickson、関谷博顕、古賀俊輔
    • 学会等名
      第42回日本認知症学会学術集会
  • [学会発表] アルツハイマー病の整理―レカネマブ社会実装を迎えて―2023

    • 著者名/発表者名
      笠貫浩史
    • 学会等名
      第38回秋季日本老年精神医学会大会
  • [学会発表] 高齢者うつ病からDLBへの移行について― psychiatric-onset DLBに関する議論をふまえて―2023

    • 著者名/発表者名
      小口 芳世、笠貫 浩史、古茶 大樹
    • 学会等名
      第38回秋季日本老年精神医学会大会

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公開日: 2024-12-25  

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