研究課題
若手研究
軽度認知症、及び軽度認知障害の認知機能に対するtDCSは、対照群と比較して、介入群の認知機能(ADAS-Cog合計点、RBANS合計点, MMSE合計点)、うつ症状(GDS)、SF-36合計点のベースラインからの刺激直後、刺激後1か月の変化量について、統計学的有意差は認められなかった。症例数不足の影響も否めないが、認知症および軽度認知障害の認知機能に対するtDCSの効果は認められなかった。
脳刺激法
本研究は、軽度認知症および軽度認知障害の認知機能に対するtDCSの増強療法としての効果を検証する試験である。過去には、中等度、重度のアルツハイマー型認知症に対するtDCSの効果に乏しいことは報告されているが、軽度認知障害や、軽度のアルツハイマー型認知症においては、相反する結果が出ており、かつ、増強療法、複数セッションのtDCSの方が、効果を最大化できる可能性が言われていた。そのため、質の担保された研究デザインで、手法を改良して効果を検証する学術的意義は高いと考える。本研究では、症例数こそ少なかったが、tDCSの増強療法としての効果は限定的であることが示唆された。