研究実績の概要 |
昨年度は、食道癌の強力な予後規定因子でありmicroRNA-1246をCT画像から予測することで、TNM分類よりも強い予後規定因子を作り出すことができた。microRNA-1246はDNAを修飾することによって、遺伝子発現を調節する役割があり、いわゆるepigenome情報といえる。画像とepigenome情報の融合として、radioepigenomicsの実現に一歩近づくことができた。この成果は、Hoshino I*, Yokota H*, Ishige F, et al. Radiogenomics predicts the expression of microRNA-1246 in the serum of esophageal cancer patients. Sci Rep. nature.com; 2020;10(1):2532. (* equal contribution)として論文発表し、北米放射線学会や日本医学放射線学会で学会発表を行った。 本年度は、臨床情報、画像情報、ゲノム情報を統合することで、より精度の高い予後予測が行えるかを試みた。まずは臨床情報、一般的な血液検査からどれほど予後を予測できるかを検討した。食道扁平上皮癌患者101名から、年齢・性別・血液検査(一般的な血算・生化学・腫瘍マーカー)の37項目を抽出した。抽出したデータで、5年後生存しているかどうかを予測した。使用した機械学習モデルは、logistic regression, random forest, 勾配ブースティング、deep neural networkの4種類を使用した。機械学習モデルによって精度は異なっていたが、random forestでは85%程度の正診度で 5年後生存を予測可能であった。
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