てんかんの外科的手術を検討する際には、てんかん焦点の局在診断が重要であるが、限局性皮質形成異常症では通常のMRIでは異常所見を呈さないことがある。Neurite orientation dispersion and density imaging (NODDI) は近年開発された新たな拡散画像解析法であり、比較的短時間に神経突起の密度や神経線維のばらつきの程度などを定量化することが可能である。本研究では、3T MRIにてNODDIとFDG-PETなどのマルチパラメトリックスタディで、てんかん焦点の局在診断に関する有用性を検討し、内科的治療抵抗性てんかん患者の手術適応判定や手術支援ツール作成を目指す。 19名の側頭葉てんかんに対し手術を施行された患者でNODDIを含むMRIを撮像し、病変側の海馬領域にintracellular volume fraction (ICVF) の低下を確認した。T2強調像とICVFの病変の描出能を2名の神経放射線科医が評価し、ICVFではT2強調像より有意に海馬病変の描出能が高値であった。同患者のうち、17例でFDGPETを撮像している。また、16名の健常ボランティアでNODDIを含むMRIを撮像した。今後、健常ボランティアでの撮像を追加し、健常者と群間比較する予定である。また、FDG-PETなど他のモダリティの撮影を組み合わせて、診断能を評価する予定である。
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