研究課題/領域番号 |
19K17148
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研究機関 | 名古屋市立大学 |
研究代表者 |
打田 佑人 名古屋市立大学, 医薬学総合研究院(医学), 研究員 (20834261)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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キーワード | MRI / QSM / パーキンソン病 / 認知機能障害 |
研究実績の概要 |
本研究は,パーキンソン病に伴う認知機能障害の早期診断の開発とその臨床応用を目指すものである.まず,全脳の磁化率を網羅的に測定可能な定量的磁化率画像(Quantitative Susceptibility Mapping,QSM)解析の開発に取り組んだ.医用生体工学や情報科学を専門とする研究者と共同して,認知症の精査の際に撮像するMRIの基本シーケンスに対応した全自動画像処理法を開発し,実臨床で活用できるボクセルベース解析システムを構築した(Magn Reson Med Sci. 2019).さらに,ボクセルベースQSM解析を用いた臨床画像研究を展開し,パーキンソン病に伴う認知機能障害を有する患者において,遂行機能を主体とする高次脳機能障害に関連する脳領域を特定した(Mov Disord. 2019).
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
早期診断法の開発とその臨床応用という二つの目標達成を目指す本研究において,双方において研究成果を報告できており,計画は順調に進展していると言える.
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今後の研究の推進方策 |
パーキンソン病に伴う認知機能障害の早期診断に役立つツールとして,個々の症例に応じたQSM解析を実臨床で活用していく必要がある.ボクセルベースQSM解析は空間精度が高い一方で,一定の症例数を必要とするという欠点があった.今後の研究において中核となる革新的技術は,複数の脳アトラスを参照データにして,分割化によって作られる各パラメータファイルを読み込み,灰白質画像・白質画像を剛体変換により最大限に組織確率画像に近づける機械学習の応用である.マルチアトラス解析を併用することで,正常脳と構造的に大きな違いのある萎縮脳においても,個々の症例毎の全脳のMRI解析精度の向上が期待できる.
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次年度使用額が生じた理由 |
学会の中止等により,旅費使用額が予定よりも減じた.次年度の海外出張費として計上する予定である.
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