研究課題/領域番号 |
19K17149
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研究機関 | 慶應義塾大学 |
研究代表者 |
松坂 陽至 慶應義塾大学, 医学部(信濃町), 助教 (00594483)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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キーワード | tau imaging / 悪性黒色腫 / PET |
研究実績の概要 |
本研究は、予後不良な悪性黒色腫をtau imaging用PET(陽電子放出断層撮像)薬剤で特異的にイメージングすることで、悪性黒色腫の微小転移の検出能が向上したり、集積の強さを個別化医療や治療効果判定に役立てることを目的にしている。 具体的な方法としては、melanin産生能が異なる複数の悪性黒色腫細胞株の動物腫瘍モデルにtau imaging薬剤18F-PI-2620のPETを実施し、腫瘍の集積と病理学的な腫瘍の性質との相関を検証する。 今年度は、まずmalanin産生腫瘍株を植え付けた動物モデルの作成を行った。腫瘍モデルの作成は実験動物中央研究所のご協力を得て行った。malanin産生腫瘍株としてはマウス由来悪性黒色腫細胞株B16-F10を用いた。ヌードラットでの生着率が低かったため、ヌードマウスに変更したところ、無事マウスモデルの作成に成功した。 また、院内製剤として製造委託している会社と18F-PI-2620の動物実験用の製造の具体的な調整を行い、実際に複数回の製造を行い、薬剤の譲受譲渡の方法を確認した。そして、正常ラットと正常マウスの生体内分布像を詳細に検討した。 さらに、病理学的、分子生物学的な評価もすでに数回実施した。具体的にはmelanin産生量を肉眼的、病理学的に確認し、腫瘍細胞のmelanin量を吸光度を使って測定した。 これによって、来年度以降にさらにmelanin非産生性の腫瘍モデルマウスも作成し、18F-PI-2620 PETの実験回数を増やし、科学的、統計学的な評価が可能となる準備が整った。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
本年度は、悪性黒色腫動物モデル作成と18F-PI-2620定期供給に向けた調整を行うことが主目的であったが、実験動物中央研究所のご協力を得て、無事ラットモデルとマウスモデルの作成に成功した。 また、院内製剤として製造委託している会社と18F-PI-2620の動物実験用の製造の具体的な調整を行い、実際に数回の製造を実施した。そして、正常ラットと正常マウスの生体内分布像を詳細に確認した。 よって進捗は順調である。
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今後の研究の推進方策 |
来年度は、予定通り、悪性黒色腫モデルのPET撮像の回数を増やしたり、melanin非産生性の腫瘍モデル動物も作成し、同様のPETを実施する。また、 得られたPET画像から腫瘍の集積を解析し、腫瘍を病理学的、分子生物学的に評価し、腫瘍中のmelaninの定量やmelanin合成酵素やそのmRNAの定量、Ki-67など細胞増殖マーカーなどと比較する予定である。
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次年度使用額が生じた理由 |
PET薬剤18F-PI-2620が当初の予定より安く製造できることになったため、差額が生じた。ただ、来年度以降は動物実験の回数を当初の予定より多く実施するため、差額は今年度に予定通り消費する予定である。
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