研究実績の概要 |
①Na MRIをUCLAに臨床導入するため、撮像シークエンスの検討をすすめた。H/Naを両方受信できるコイルを用い、シークエンスについては、Na MRIを行ってい る間のdead timeを利用してH MRIのシークエンスを差し挟む検討をMRIベンダーであるSiemens Healthineers社と協力の上、ほぼ実装が完了した。コロナ禍の影響のためMRI室やラボへの出入りが制限されており、進捗は遅れていたが、脳腫瘍患者にて撮像が開始できた。てんかん患者ではまだ撮像開始できていない。 ②2021年3月に帰国し、2022年4月から順天堂医院に勤務開始。Na MRIはコイルが1000万円するため、研究費ではまかなえず、代わりにCEST-SAGE-EPIというpHとoxygenにsensitiveなimagingをUCLAから移植することとし、現在手続きを進めている。てんかん発作時にはpHが低下するという報告があり、てんかん重症度のバイオマーカー、病変検出のためのバイオマーカーとして活用できる可能性がある。 ③順天堂では3D synthetic MRIの撮像を行っている。synthetic MRIでは従来法と異なり臨床で撮像されるT1強調像、T2強調像、FLAIR像も取得でき、ミエリン マップや血管画像も取得でき臨床導入しやすい。また、DIRやPSIRなど、てんかん源検出に有用なシークエンスも、撮像後に合成することが可能で会える。3D synthetic MRIのシークエンスである3D-QALASを複数のベンダー・スキャナにおいて再現性をもって撮像できるよう、シークエンスの導入・調整をISMRM/NISTファントムやボランティアの撮像により行った。T1, T2, proton density, myelinなどといった各種定量値や脳segmentationにより算出された脳容積(白質、灰白質、CSF、ミエリン、頭蓋内容積)、の反復性・ベンダー間の再現性共に、良好な結果であった。
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