研究実績の概要 |
①昨年度はNa MRIをUCLAに臨床導入を行った。本年度は脳腫瘍・てんかん患者にて症例集積中の状態である。脳腫瘍患者では、pH-weighted amine CESTと組み合わせて撮像をおこなっている。NaとpHコントラストが高いところ、低いところにターゲットを置いて、脳外科に生検を行ってもらい、画像から得られる定量値と免疫組織染色の比較を行っている。 ②2022年3月にアメリカから帰国し、2022年4月から順天堂医院に勤務開始している。CEST-SAGE-EPIというpHとoxygenにsensitiveなimagingをUCLAから移植した。今後、てんかん重症度のバイオマーカー、病変検出のためのバイオマーカーとして活用できる可能性があり、てんかん外科と共同研究を進めていく。 ③順天堂では3D synthetic MRIの撮像を行っている。synthetic MRIでは従来法と異なり臨床で撮像されるT1強調像、T2強調像、FLAIR像も取得でき、ミエリンマップや血管画像も取得でき臨床導入しやすい。また、DIRやPSIRなど、てんかん源検出に有用な画像も、撮像後に合成することが可能である。3D synthetic MRIのシークエンスである3D-QALASを複数のベンダー・スキャナにおいて再現性をもって撮像できるよう、シークエンスの導入・調整をファントムやボランティアの撮像により4つのベンダーの5つの機械に対して行った。T1, T2, proton density, myelinなどといった各種定量値や脳segmentationにより算出された脳容積(白質、灰白質、CSF、ミエリン、頭蓋内容積)、の反復性・ベンダー間の再現性共に、良好な結果であった。これらの結果は3D-QALASを開発しているSynthetic MR社にフィードバックした。現在論文投稿中である。
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