研究課題
グラフ理論を用いた構造ネットワーク解析は、日常診療で取得可能なT1強調画像を用いて脳内ネットワークが評価可能である。本研究は、これまでの群間比較解析を個人ベースに発展させ、脳内ネットワークの進行動態に関するこれまでにない新たな知見を生み出す可能性が期待される。また、解析で得られたネットワーク指標の定量値を標準脳上にマッピングすることで、パーキンソニズムをきたす変性疾患患者において、より詳細な解剖学的位置の抽出が可能となると考える。 さらに、ネットワーク指標画像の正常データベースを構築することで、患者の早期発見や鑑別能向上が期待される。まず健常者のMRI画像を用いてネットワーク解析を行い、得られたネットワーク指標画像から正常データベースを作成する。次に、パーキンソニズムをきたす変性疾患患者においてネットワーク解析を行い、疾患毎のネットワークパターンを抽出する。さらに、健常データベースを用いて、各患者のネットワーク指標画像を入力することで、パーキンソニズムをきたす変性疾患の早期診断や鑑別を可能とするソフトウェアを開発する。
2: おおむね順調に進展している
健常者のネットワーク解析で得られた結果から、ネットワーク指標の正常データベースを構築した。疾患群に関しては、パーキンソン病患者においてネットワーク解析を行った。
パーキンソン病に特徴的なネットワーク指標を健常者との群間解析で検討する。また、パーキンソニズムをきたす他の変性疾患(多系統萎縮症や進行性核上性麻痺、大脳皮質基底核変性症)においても解析を行い、各疾患に特徴的な指標を検出し、鑑別診断に有用か検討する。
COVID-19の影響によって旅費が不要となったため、次年度への繰り越しが生じた。
すべて 2021
すべて 雑誌論文 (2件) (うち国際共著 2件、 査読あり 2件、 オープンアクセス 2件)
eNeurologicalSci
巻: 22 ページ: 100309
10.1016/j.ensci.2021.100309.
巻: 23 ページ: 100343
10.1016/j.ensci.2021.100343