研究課題
グラフ理論を用いた構造ネットワーク解析は、日常診療で取得可能な3DT1強調画像を用いて脳内ネットワークの評価が可能である。本研究は、これまでの群間比較解析を個人ベースに発展させ、脳内ネットワークの動態に関するこれまでにない新たな知見を生み出す可能性が期待される。解析で得られたネットワーク指標の定量値を標準脳上にマッピングすることで、パーキンソニズムをきたす変性疾患患者(パーキンソン病、多系統萎縮症、進行性核上性麻痺、大脳皮質基底核変性症)において、より詳細な解剖学的位置の同定が可能となると考える。ネットワーク指標画像の正常データベースを構築することで、患者の早期発見や鑑別能向上が期待される。まず、健常者のMRI画像を用いてネットワーク解析を行い、得られたネットワーク指標から正常データベースを構築する。次に、パーキンソニズムをきたす変性疾患患者においても同様にネットワーク解析を行い、疾患毎のネットワークパターンを抽出する。
3: やや遅れている
パーキンソニズムをきたす変性疾患患者(パーキンソン病、多系統萎縮症、進行性核上性麻痺、大脳皮質基底核変性症)の収集に時間を要したため。
パーキンソニズムをきたす変性疾患患者(パーキンソン病、多系統萎縮症、進行性核上性麻痺、大脳皮質基底核変性症)においてネットワーク解析を行い、各疾患に特徴的な指標を算出し、早期診断や鑑別能向上に有用か検討する。また、健常者における全脳のネットワーク解析に年齢および性別が与える影響について、学会発表および論文化を目指す。
COVID-19の影響によって旅費が少なくなったため、次年度への繰り越しが生じた。
すべて 2021
すべて 雑誌論文 (3件) (うち国際共著 3件、 査読あり 3件、 オープンアクセス 1件) 学会発表 (4件) (うち国際学会 1件、 招待講演 1件)
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