研究課題
グラフ理論を用いた構造ネットワーク解析は、従来の萎縮を検出する方法に代わり、脳内のネットワーク異常を早期から検出しうる方法として期待されている。まず、われわれは、近年登場した脳構造の局所的な類似度に着目した手法を用い、健常者におけるネットワーク指標画像のデータベースを構築した。健常者において年齢・性別に応じて全脳のネットワーク指標がどのように変化するか検討した。812人の3DT1強調画像を取得した健常者(59.3±14歳、女性:男性=407:405)において、個人脳のネットワーク解析を行い、以下のネットワーク指標(normalized clustering、normalized path length、small-world coefficient)を算出した。健常者のネットワークは年齢に関わらず効率のよいスモールワールド性を保っていたが、加齢とともにスモールワールド性は低下し、ランダムネットワークに近付いた。性別の効果は、70歳未満で女性は男性よりネットワークは高値を示し、加齢とともに男性と同等の低下速度を示した。一方、70歳以上では女性は男性より加齢とともにネットワークが低下する速度は速く、男女差は認めなかった。70歳前後で女性のネットワークが急速に変化する原因として、正常加齢における言語機能の女性の優位性が挙げられ、70歳未満ではネットワークの低下がマスクされ女性は男性よりネットワークは高値を示したが、70歳以上ではこの代償反応が破綻し男女差は消失したと考えられる。
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