研究課題/領域番号 |
19K17170
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研究機関 | 山口大学 |
研究代表者 |
湯淺 勇紀 山口大学, 医学部附属病院, 主任診療放射・エックス線技師 (20749840)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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キーワード | 深層学習 / Dual energy CT / Cone-beam CT |
研究実績の概要 |
本研究は、適応放射線治療に向けた新たなDECBCT(dual energy cone-beam computed tomography)システムの構築を目指す。本年度は、DECBCTを構築するにあたり、主に深層学習を使用した画像生成モデルの構築と評価に取り組んだ。 画像生成モデルについては、python言語を用いて構築し、低管電圧CT画像の入力に対して、高管電圧CT画像を出力する構造とした。構造はCNN(convolutioanl neural network)とした。モデル構築後、胸部および腹部のDECT検査を実施した患者の低管電圧CT画像と高管電圧CT画像を使用し、構築したモデルの学習を行った。次に学習に使用していない患者のCT画像を使用し、評価を行った。モデルの評価は、構築したモデルにより生成した仮想高電圧CT画像と真の高管電圧CT画像のMAE(mean absolute error)を算出し、実施した。また、それぞれの画像のヒストグラムを作成し、類似度を相関係数を使用して行った。 MAEは、胸部、腹部ともに20HU(hounsfield unit)以下の値となった。ヒストグラムについては、仮想高管電圧CT画像と真の高管電圧CT画像とで良く一致しており、類似度も0.9であり良好な結果であった。これらのことから、構築したモデルの精度は高く、実臨床に使用することが可能であることが示された。 また、入力に使用した低管電圧CT画像とモデルにより得られた仮想高管電圧CT画像を使用してDualenergy処理を行うことで、ヨードマップ画像を得ることも可能となった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
本年度の計画として、画像生成モデルの開発と評価をあげていた。その画像生成モデルの構築が完了し、評価を実施した。この画像生成モデルを使用して、次年度計画している放射線治療計画の検証が実施可能である。
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今後の研究の推進方策 |
今後、本モデルを使用し、放射線治療計画への有用性を検討する。また、放射線治療患者の画像を使用し、患者の治療効果の判定などを実施し、DECBCT(Dual energy cone -beam computed tomography)システムを確立する。
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次年度使用額が生じた理由 |
本年度購入を予定していた、書籍の改訂版が次年度に発売見込みであり、購入を次年度としたため。
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