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2021 年度 実施状況報告書

リアルタイムイメージングを用いた陽子線照射後の癌細胞動態メカニズムの解明

研究課題

研究課題/領域番号 19K17175
研究機関名古屋市立大学

研究代表者

橋本 眞吾  名古屋市立大学, 医薬学総合研究院(医学), 助教 (90803510)

研究期間 (年度) 2019-04-01 – 2023-03-31
キーワードX線 / 陽子線 / DNA二本鎖切断 / γH2AX
研究実績の概要

本年度はコロナウィルス感染拡大防止で施設間移動が制限されていたこともあり、研究代表者が所属する施設内で、陽子線とX線の生物学的効果比較に必要な基礎実験をX線を用いて行った。 主な研究内容を以下に示す。
γH2AXは感度の高いDNA二本鎖切断(DSB)のマーカーであり、CT検査などの数10 mGy程度の低線量放射線被ばく後であってもDNA損傷の評価が可能である。多くの報告では、γH2AX染色のタイミングを被ばく15分後に設定しているが、亜致死損傷の回復(SLDR)によるDNA修復動態を考慮すると、15分後が至適なタイミングかどうかに関しては議論が分かれる。そこで、我々はDNA損傷が固定化される数時間後のほうがより細胞生存率を推定するという仮説をたて、ヒト・哺乳類培養細胞を用いて、至適な染色タイミングを検討した。
ヒトHeLa S3細胞、マウスEMT6乳腺肉腫、B16F0メラノーマ細胞に対し10、50、150、500、2000、4000 mGyのX線照射後、それぞれ15分、2、6、12、24時間後にγH2AX免疫染色を行い蛍光顕微鏡下1核あたりのγH2AX foci数・蛍光量を計数した。また、DNA損傷と細胞生存率の関係を調べるため、コロニー試験により細胞生存率(Surviving fraction)とγH2AX fociのコントロールに対する相対的なfoci数・蛍光量の相関関係を求めた。細胞増殖の影響が予想されたため、全視野の核数変化も測定も同時に行った。
現在、結果を集計しており、今後、評価をしていく。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

コロナウィルス感染防止対策により、施設間を跨いだ移動が制限されている時期もあったため、まずは研究代表者が所属する施設内でできる実験を実施し今後評価をしていく。

今後の研究の推進方策

コロナウィルス感染症の蔓延に伴い、今後もいつ施設間の移動が制限されるかわからないため、主たる勤務地で可能な実験系を継続していく。得られた実験結果を評価し、細胞生存率を推測するために最適な実験系の確立を目指す。

次年度使用額が生じた理由

研究実施計画が遅れていることにより研究予定を変更したため、次年度使用額が生じた。研究を遂行するための物品購入や情報収集のための学会参加、論文投稿 費などにあてる予定である。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2022

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件、 オープンアクセス 1件)

  • [雑誌論文] Outcomes of proton therapy for non-small cell lung cancer in patients with interstitial pneumonia2022

    • 著者名/発表者名
      Hashimoto Shingo、Iwata Hiromitsu、Hattori Yukiko、Nakajima Koichiro、Nomura Kento、Hayashi Kensuke、Toshito Toshiyuki、Yamamori Eiko、Akita Kenji、Mizoe Jun-etsu、Ogino Hiroyuki、Shibamoto Yuta
    • 雑誌名

      Radiation Oncology

      巻: 17 ページ: 56

    • DOI

      10.1186/s13014-022-02027-0

    • 査読あり / オープンアクセス

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公開日: 2022-12-28  

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