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2022 年度 実績報告書

リアルタイムイメージングを用いた陽子線照射後の癌細胞動態メカニズムの解明

研究課題

研究課題/領域番号 19K17175
研究機関愛知県がんセンター(研究所)

研究代表者

橋本 眞吾  愛知県がんセンター(研究所), 分子腫瘍学分野, 研究員 (90803510)

研究期間 (年度) 2019-04-01 – 2023-03-31
キーワードX線 / 陽子線 / DNA二本鎖切断 / γH2AX
研究実績の概要

γH2AXは感度の高いDNA二本鎖切断(DSB)のマーカーであり、CT検査などの数10 mGy程度の低線量放射線被ばく後であってもDNA損傷の評価が可能である。多くの報告では、γH2AX染色のタイミングを被ばく15分後に設定しているが、亜致死損傷の回復(SLDR)によるDNA修復動態を考慮すると、15分後が至適なタイミ ングかどうかに関しては議論が分かれる。そこで、我々はDNA損傷が固定化される数時間後のほうがより細胞生存率を推定するという仮説をたて、ヒト・哺乳類 培養細胞を用いて、至適な染色タイミングを検討した。
ヒトHeLa S3細胞、マウスEMT6乳腺肉腫、B16F0メラノーマ細胞に対し10、50、150、500、2000、4000 mGyのX線照射後、それぞれ15分、2、6、12、24時間後に γH2AX免疫染色を行い蛍光顕微鏡下1核あたりのγH2AX foci数・蛍光量を計数した。また、DNA損傷と細胞生存率の関係を調べるため、コロニー試験により細胞 生存率(Surviving fraction)とγH2AX fociのコントロールに対する相対的なfoci数・蛍光量の相関関係を求めた。細胞増殖の影響が予想されたため、全視野 の核数変化も測定も同時に行った。
X線照射後、15分でγH2HX foci数は最大となり、コントロール群に比べB16F0、HeLa細胞では500 mGy~4000 mGy群、EMT6では2000、4000 mGy群において有意にγH2AX foci数が上昇した。また、B16F0、HeLa細胞では10~150 mGy、EMT6では50 mGy~150m Gyにおいても、線量依存性にγH2AX foci数が上昇する傾向が観察された。その後、γH2AX foci数は緩やかに減少し、総じて12~24時間後にはコントロール群と同レベルに低下した。

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2023 2022

すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 2件、 オープンアクセス 2件) 学会発表 (1件)

  • [雑誌論文] Optimal timing of a γH2AX analysis to predict cellular lethal damage in cultured tumor cell lines after exposure to diagnostic and therapeutic radiation doses2023

    • 著者名/発表者名
      Takano Seiya、Shibamoto Yuta、Wang Zhen、Kondo Takuhito、Hashimoto Shingo、Kawai Tatsuya、Hiwatashi Akio
    • 雑誌名

      Journal of Radiation Research

      巻: 64 ページ: 317~327

    • DOI

      10.1093/jrr/rrac096

    • 査読あり / オープンアクセス
  • [雑誌論文] Outcomes of proton therapy for non-small cell lung cancer in patients with interstitial pneumonia2022

    • 著者名/発表者名
      Hashimoto Shingo、Iwata Hiromitsu、Hattori Yukiko、Nakajima Koichiro、Nomura Kento、Hayashi Kensuke、Toshito Toshiyuki、Yamamori Eiko、Akita Kenji、Mizoe Jun-etsu、Ogino Hiroyuki、Shibamoto Yuta
    • 雑誌名

      Radiation Oncology

      巻: 17 ページ: 56

    • DOI

      10.1186/s13014-022-02027-0

    • 査読あり / オープンアクセス
  • [学会発表] 放射線照射後のDNA二本鎖切断の定量タイミングが細胞生存率予測に及ぼす影響2022

    • 著者名/発表者名
      高野聖矢、芝本雄太、王禎、近藤拓人、橋本眞吾、河合辰哉、樋渡昭雄
    • 学会等名
      日本放射線腫瘍学会第35回学術大会

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公開日: 2023-12-25  

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