本研究はコーンビームCT撮影に特化した水晶体防護具の開発を行い、脳血管内治療時の水晶体線量の低減を図ることを目的とする。 防護具に用いる素材と配置条件に着目して、水晶体線量低減率と画質の検証を行った。 防護具の素材の検討では、ビスマスと鉛防護眼鏡が最適であった。ビスマスの配置条件の検討では、配置距離は被写体表面から10mm、配置位置は眼球の位置に対して外側寄り、厚さは1枚が最適であった。最適化された配置条件において、水晶体線量の低減率は、26.9 ± 0.36%(左右平均)であった。水晶体防護具を用いることにより、脳血管内治療におけるコーンビームCT撮影時の水晶体線量の低減に貢献できると考える。
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