研究課題
若手研究
本研究では、申請者が新規開発を目指す手法(SAC)を用いることで、高空間分解能かつ感度を損なうことなくPET・SPECT核種を同時撮像する手法を確立した。GATEを用いたモンテカルロ・シミュレーションによって設計したBGO-SAC検出器を開発し、PET核種(22Na)とSPECT核種(57Co)の多核種同時撮像に成功した。PET核種(22Na)に関しては、従来多核種同時撮像の研究がされてきたSPECT装置と比較して、解像度、検出効率、S/N比の全てで10倍以上優れた性能を達成した。
放射線計測
本研究が実用化され、PET核種とSPECT核種の同時定量撮像が可能となった際には、核医学の分野において、これまで不可能であったRI内用療法の治療効果予測とその効果判定が1度の測定で可能となり、RI内用療法の安全性・安心の確保につながる。症例の一例としては、甲状腺癌、前立腺癌骨転移、神経内分泌腫瘍、褐色細胞腫、前立腺癌、乳癌における治療効果予測と効果判定に活用がすることが可能であり、国民の健康・死亡リスク低減の観点から、本研究の社会的意義は大きい。