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2022 年度 実施状況報告書

乳癌患者におけるFES-PETの診断能と臨床的有意性

研究課題

研究課題/領域番号 19K17196
研究機関京都大学

研究代表者

河井 可奈江 (三宅可奈江)  京都大学, 医学研究科, 特定助教 (60812641)

研究期間 (年度) 2019-04-01 – 2024-03-31
キーワード乳癌 / エストロゲン受容体 / FES / PET / 乳房専用PET / PET/MR
研究実績の概要

FES([18F]-fluoroestradiol)はエストラジオ―ル類似体のPETトレーサーであり、エストロゲン受容体のイメージング製剤として期待されている。乳癌のホルモン受容体発現の状態は治療に直結する重要な要素で、乳癌の診療においてサブタイプ分類は今や標準的に行われるものとなったが、全身の病変のエストロゲン受容体発現を一度に可視化できるFES PETは非侵襲的検査法として注目が集まっている。本研究ではPET/CT、乳房専用PET、PET/MRの3種類の装置を用いてFES PETを行っている。複数のPET装置による検証はこれまでになく、特に乳房専用PETによるFES PET検査の知見は非常に乏しい段階であり、本研究はFESの可能性を広げる基礎データとして重要なものになると考える。
当該年度は、乳癌患者を対象としたFES PET検査の症例蓄積を継続し、2023年3月までに計59例を撮像した。またここまでに得たデータを解析して、エストロゲン受容体陽性病変におけるFES集積に関わる因子、PET装置間の描出能の違い、さらにはFES PETとFDG PETとの違いを検証した。病理学的なエストロゲン受容体の発現率がFES集積の有無に関連することを示すとともに、撮像方法により感度改善が得られることが示唆された。さらに、FES特有の体内分布をファントムで模擬したシュミレーション実験にて乳房専用PETの撮像条件の最適化にも取り組み、画質の改善に一定の成果を得ることができた。
得られた結果の一部は当該年度中に開催された4つの国内学会、1つの国際学会(米国核医学会)にて発表した。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

全期間中は、COVID19感染拡大等による人的立ち入り制限・物流制限の影響にて、合成手法の確立や患者登録などが大きく遅延したが、当該期間中はその影響は比較的軽度であった。画質に関する問題抽出や実験検証より、患者撮像における画像改善につなげることができた。また、これまでに本研究にて得たPET画像や解析結果について、複数の学会発表・講演発表を行った。総合的には、当該期間中は概ね順調に研究が実施できたと考える。

今後の研究の推進方策

引き続き症例登録を進め、FES PETの診断精度や臨床的役割を明らかにする。
また画質検証やPET再構成方法の検証を進め、よりよい画像の取得方法も明らかとする。

次年度使用額が生じた理由

研究期間中、特に前半にCOVID19まん延の影響で研究立ち上げが遅れたため、臨床研究を継続している。

  • 研究成果

    (7件)

すべて 2023 2022

すべて 学会発表 (5件) (うち国際学会 1件) 図書 (2件)

  • [学会発表] 乳房専用PET検査における肝臓集積の画像への影響―18F-FESの使用を想定した検討―2023

    • 著者名/発表者名
      大野和子、池田 晴、大原 桃子、藤本 しおり、板垣 孝治、三宅 可奈江
    • 学会等名
      日本核医学会 第95回中部地方会
  • [学会発表] Comparison of conventional whole-body PMT-based PET/CT and breast SiPM-based PET/MR in terms of lesion detection and quantitation of [18F]-FES uptake in patients with breast cancer.2022

    • 著者名/発表者名
      Miyake K, Takada M, Shimizu Y, Yuge S, Kitano Y, Ishimori T, et al.
    • 学会等名
      Society of Nuclear Medicine and Molecular Imaging
    • 国際学会
  • [学会発表] FES PET/CTにおけるエストロゲン受容体陽性乳癌のFES集積について:A preliminary study2022

    • 著者名/発表者名
      三宅可奈江,髙田正泰, 志水陽一, 弓削瞬介, 北野香雪, 石守 崇好ら
    • 学会等名
      日本医学放射線学会総会
  • [学会発表] FES PET検査において視野外放射能がリング型乳房専用PET画像の画質に与える影響2022

    • 著者名/発表者名
      板垣孝治,大石妙枝,三宅可奈江,大野和子,片岡正子,中本裕士
    • 学会等名
      日本放射線技術学会総会学術大会
  • [学会発表] ER陽性乳癌患者における病変検出:FDG PET/CT に対するFES PET/CTの付加価値2022

    • 著者名/発表者名
      三宅可奈江,髙田正泰, 志水陽一, 弓削瞬介, 北野香雪, 石守 崇好ら
    • 学会等名
      日本核医学会学術総会
  • [図書] Ⅲ章 PET製剤の今までとこれから. 村上 康二, 鳥井原 彰, 岩渕 雄 はじめましてのPET/CT2023

    • 著者名/発表者名
      三宅可奈江, 中本裕士
    • 総ページ数
      10
    • 出版者
      メジカルビュー社
  • [図書] Detection of Breast Cancer by PET. Screening and Risk Reduction Strategies for Breast Cancer, Masakazu Toi, edi.2023

    • 著者名/発表者名
      Kanae K. Miyake
    • 総ページ数
      12
    • 出版者
      Springer Nature

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公開日: 2023-12-25  

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